今年の課題は「日本人をパワフルにする」こと

新年明けましておめでとうございます。

日本人学生と留学生が同じクラスで共に勉強するのが当校の特長。元気な留学生に囲まれて教員をやってきた私にとって、最近気になっていることがあります。

それは日本人学生のことです。何を勉強したいかよりビザを取れるか否かのほうが重要な留学生とは悩みの質もレベルも違う。どちらが深刻か一概には言えません。期待して入ったものの勉強の内容が想定していたものと違ってがっかりした、自分の道を探す手掛かりがちっとも見つからず焦りを感じる、希望に満ちて学び始めた言語に苦戦して自信を失った・・自分だけの問題として寡黙に悩んでいるのが印象的です。

悩むのは若者の特権だし、大いに悩めというのが私のアドバイスであるが、そう言えたのは大人や社会がそれを見守り成長を待ってくれた時代のことです。自分のことで忙しい今の大人は、価値観が錯綜する中「正しい道はこれだ」という指示を出すこともできず、「お前はお前の人生を生きればいい」と言います。自由だけは持っているけれど、情報ばかりが目の前を行き来し自分らしさを自信に換えることができないでいる若者は多い。パワフルで自信あふれる留学生を見ると、自由が時として役に立たないことがわかります。

社会への責任、家族の中の役割、もちろん自分自身への負荷、さまざまな縛りが、結局は本当の自由の価値や自分への自信を教えてくれるのだと思います。「日本人学生をパワフルにする」これが今年の課題になりそうです。

国際ことば学院外国語専門学校

校長　　袴田　靖子